↑インドのメトロの中で撮影した一枚。本文とまったく関係ないけど、インド女子&インド服は本当にかわゆすということで。
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随分と更新が止まってしまいましたが、ちゃんと生きてます。その久しぶりな更新ではありますが、今日はタイトルの通り「インドのIT業界とベンチャーのお話」を書こうかと。何と誰得な内容ではありますが、最近ちょこちょこ聞かれることが多いのです(あと「ブログにまとめて」と何人かに頼まれたので…)。以前少人数用の勉強会などで作った資料などを元にブログにも残しておきたいと思います。以下、超長文ですのでお気をつけて。
■携帯&インターネット市場環境概要
■各種インターネットビジネスのマーケットリーダー
・総合ポータル
…rediff・Yahoo! India・in.com・MSN India
・お見合い・出会い系
・検索
…Google・JustDial・Bing
・ブログ(ミニブログ含む)
┗ジャンル別Eコマース
…Myntra(アパレル)・Jabong(アパレル)・yebhi(アパレル)・Zivame(下着)・BlueStone(宝石)・babyoye(ベイビー・子供用品)・firstcry(ベイビー・子供用品)・fashionandyou(会員制ファミリーセール)・healthkart(健康関連)・lenskart(メガネ)・indiangiftsportal(ギフト)・fabfurnish(家具)・pepperfry(家具)
…Myntra(アパレル)・Jabong(アパレル)・yebhi(アパレル)・Zivame(下着)・BlueStone(宝石)・babyoye(ベイビー・子供用品)・firstcry(ベイビー・子供用品)・fashionandyou(会員制ファミリーセール)・healthkart(健康関連)・lenskart(メガネ)・indiangiftsportal(ギフト)・fabfurnish(家具)・pepperfry(家具)
・長距離バス予約
・ニュースサイト
…NDTV・hindustantimes・indiatimes・THE HINDU
・仕事探し
…naukri・monster・shine・timesjobs
・旅行(ホテル・航空券予約など)
・地域情報掲示板
・音楽
・映画・スポーツチケット予約
・タクシー配車&レンタカー
…OlaCabs・MERU・taxiforsure・SAVAARI
・鉄道チケット
…IRCTC
・ゲーム
・レストランレビュー・検索
・リチャージ
…paytm・freecharge
・ペイメント
・不動産売買・賃貸
・オフィス用品
…OfficeYes
・カスタマイズプリント
…Printvenue・zoomin
・オンラインスーパー
…ZOPNOW(バンガロール)・BigBasket(バンガロール・ハイデラバード・ムンバイ)・AaramShop(デリーNCR)
・モバイルPOS(インド版Square)
…Ezetap・mswipe
■PCインターネット環境
・インターネット契約世帯数:2900万世帯(うち1500万世帯がブロードバンド)
・ブロードバンドの契約が180万件増加する間に、携帯電話の契約者は1億1300万件増加した(2011年1月1日~2011年9月1日の期間内の統計結果による)。
■モバイルインターネット環境
・2億5000万のインターネットにつながる携帯電話のうち、2500万の携帯電話がアクティブにインターネットに接続している。
・3G通信ユーザー数:600万人(普及率:全人口の約0.5%)
・インターネットユーザーの41%が携帯でしかアクセスしない。
…YouTubeユーザーの25%が携帯からのアクセス
…Google検索を使うユーザーの40%が携帯からのアクセス
・2015年までに約50%のインターネットユーザーが携帯「だけ」でしかアクセスしなくなる。
■インターネットユーザーの利用傾向
・インターネット人口の79%が毎日インターネットにアクセスする。
・ネットユーザーの72%が都市部に住んでいる。
・ネットユーザーの40%が女性、60%が男性。
・ネットユーザーの33%が15〜24歳(ネットユーザーの75%が35歳以下)。
・インドのネットユーザーの73%がオンライン動画を利用。
・インドのネットユーザーの41%がオンラインゲームを利用。
■スマートフォンのマーケットシェア(ブランド別)■スマートフォン市場とユーザーの利用動向
・スマートフォンユーザーの36%が18〜29歳の年齢層。
・スマートフォン市場ではSAMSUNGが強いが、MICROMAX、KARBONN、およびSPICE(いずれもANDROIDのOEMを提供している)などといった国内メーカーも、年間で200%〜500%の成長を達成。・スマートフォン市場は,2013年の2,780万台から,2017年は1億5,680万台と5年間で5.6倍になると予想されている。
・スマートフォンユーザーの77%が携帯で音楽を聴き、33%がゲームをし、32%がニュースサイトを定期的に読む。スマートフォンユーザーの68%がオンライン購入を経験している(アプリや電子書籍などの電子コンテンツを含む)。
■タブレットのマーケットシェア(OS別)
■タブレットのマーケットシェア(ブランド別)
■インド独自のサービスモデル(※他にもほんとうは沢山あるのだけど3つだけ紹介!)
・Justdial
…Justdialは地域情報のサーチエンジンである。携帯電話の通話やSMSを利用することによって、Justdialのコールセンターに繋がり、インターネットなしに、情報を得ることができる(インターネット普及率の低さを背景に、その便利さで広まったと考えられる)
・Zipdial
…企業はzipdialから指定された特定の番号をWebや紙面の広告に貼り付ける。それを見たユーザーはその番号にmiscall(ワン切り)をし、必要な情報やクーポンをSMSで自動で得ることができる。企業は潜在顧客の番号を得ることができる。
・flipkart
…本・電化製品・服・音楽などの総合Eコマースサイト。Cash-on-delivery(代引き)の手数料が格安で、さらに500ルピー(約800円)以上購入すれば手数料はタダに(クレッジットカードが普及していないため)。また、他社の宅配会社を利用せず、自社でバイクの宅配員を大量に雇用し、スムーズな配送を徹底している。1アイテムあたり90ルピー(約150円)支払うと当日配達を保障してくる。
■インドのベンチャーのトレンド(1)
・スタートアップの設立所在地はバンガロールが最多。
■インドのベンチャーのトレンド(2)
・33%がEコマース関連事業。
■インドのEコマース市場とユーザーの利用動向
・Eコマース市場規模
…2012年 7億2000万ドル (小売業全体:5000億ドル)
…2015年度予測 106億ドル
・Eコマース市場シェア
…耐久消費財が34%、服&アクセサリーが30%、本が15%
・ネット上での商取引の約6割以上がCOD(代引き)。
・オンライン購買人口:約1000万人
…うち約30%が携帯電話からの購入を経験。
■インドの各ソーシャルメディアユーザー数
■携帯通信キャリアのシェア
■日系企業の インドIT企業への投資状況
・2011年ディーツーコミュニケーションズ社は、モバイル広告商品の開発・販売を行うAffle社へ約1000万ドルを出資。
・2011年ソフトバンク社は携帯向け広告ネットワークを事業とするInMobi社に約154億円の分割出資を発表。
・2011年ソフトバンク社は、インド最大の携帯電話事業者であるBharti Airtelを擁するBhartiグループと、合弁会社Bharti Softbank Holdings Pte. Ltd(BSB)を設立。これまでに携帯ロケーションサービス「hoppr」を手がけるY2CFに出資したり、メッセージングアプリ「hike」や複数のAndroid端末向けゲームの開発と展開を行っている。また2012年には、BSBはソフトバンクグループのグループ会社であるヤフージャパンと提携し、インド市場におけるモバイルインターネット・ポータルの展開を発表。合弁会社であるビー・エス・ワイ(BSY Pte. Ltd.)を設立した。
・2011年ソフトバンク社は、インド最大の携帯電話事業者であるBharti Airtelを擁するBhartiグループと、合弁会社Bharti Softbank Holdings Pte. Ltd(BSB)を設立。これまでに携帯ロケーションサービス「hoppr」を手がけるY2CFに出資したり、メッセージングアプリ「hike」や複数のAndroid端末向けゲームの開発と展開を行っている。また2012年には、BSBはソフトバンクグループのグループ会社であるヤフージャパンと提携し、インド市場におけるモバイルインターネット・ポータルの展開を発表。合弁会社であるビー・エス・ワイ(BSY Pte. Ltd.)を設立した。
・2011年と2013年にネットプライスドットコム社はShopClues社にインド国内VC2社と共に約4億円と約10億の出資。
・2013年シーエーシー社はAccel Frontline社(ボンベイ証券取引所およびナショナル証券取引所上場)の過半数の株式を取得し、Accelはシーエーシーの連結子会社に。
・2013年ベネッセホールディングスからInOpen Technologies社は第三者割当増資を実施。
・2013年JAFCO Asiaはソーシャルメディアマーケティングツールを提供するunmetric社へNexus Venture Partnersと共に$5.5 Millionを出資。
・2013年ネットプライスドットコムの100%子会社であるBeenosは、インドにおいてオンライン決済事業「Citrus」を手がけるCitrus Payment Solutions Pvt. Ltd.の持株会社であるシンガポールCitrus Payment Solutions Pte. Ltd.にデジタルガレージの子会社でオンライン決済事業を担うecontext Asia Limitedなどと共同で出資。
・2013年電通はインドのデジタル広告エージェンシーwebchutneyを子会社化。
・2013年ソフトバンク社はSnapeal社へ$75 Millionを出資。
■個人的に注目しているインド発のテック系サービス
・unicommerce(中小企業向け在庫管理システム)
・freshdesk(世界中で使われはじめているカスタマーサポートツール)
・Knowlarity(中小企業向けの安価な電話通信系クラウドサービス)
・HOUSING(地図から探せる物件情報サービス)
・Airpod(空気を動力とする自動車)
・Delhivery(Eコマース企業向けロジスティクスプロバイダー)
・Foodpanda(出前注文サービス)
・way2sms(フリーSMSサービス)
・Gecko(ジェスチャーに合わせてスマホと連動する小型万能ガジェット)
■雑感
さて、記事としてはここまでなのですが、書き出してみて思ったのは、やっぱりインドのテック系ベンチャーの話はすごく面白いなぁということ。「テック系ベンチャー」ってだけでも興味の対象であるのだけれど(でも実は国産の方はあまりよく知らない)、そこにわざわざインドってつけるのは、インドがまだ発展途上の国だからかな。日本に比べて産業インフラが整っていない生活しにくい国にも関わらず、IT関連サービスは意外と進んでいるんだと、インドに来て驚いた覚えがある。
例えば、インドに来たばかりのころにタクシーを利用しようとしたら、時間は守ってくれないし、道は知らないし、金額は後から釣り上げようとするし酷かった。けれど、Olacabsというインドのベンチャーが提供しているタクシー配車サービス(インド版Uberかな)を使ったら、携帯アプリで簡単に予約できて、時間も厳守で、メーター使ってくれて、サービスもよくて、領収書も精算後に自動的にメールに送られるようになっていて、すごく感激した覚えがある。これ以外にも感激したサービスは少なくない。これが日本や他の先進国だったらそれほど感激しなかったかもしれないが、インドという場所だから尚更だったと思う。例え「本をネットで買う」という日本では当たり前のことでも、インドでそれが出来るというのは本当に素晴らしいことなのだ。本屋なんて大きな街でも数える程度にしかないから、オートリキシャやバスで全身砂まみれになり、排気ガスで喉や目を痛めながら、往復数時間かけて行くことはざらだった(たった数百円の本のために!)。それがECサイトによって一瞬で済むようになる。明らかにそれは生活を向上させている。
ところで、インドのITサービスは、基本はやはり米国のサービスをコピーしたものが多い。けれど、まったく同じものを作ってはインドでうまくいかない。文化や生活背景・通信インフラの悪さ・ロジスティクスの未整備・クレジットカードの普及率の低さ(=課金の仕組み)などを考慮して、現地に最適化しなければならない。これは先進国でサービスを広めるのとは違った難しさがあるに違いないだろう。だからアイディアはコピーといえども、それを実行する環境が異なるならば、それは非常にイノベイティブだし、市場の開拓者だとも思える。そしてインドのようなビジネスがやりにくい環境(発展途上国)で成功すれば、他の発展途上国でそれを横展開できるというダイナミズムもある。先進国から途上国へコピーする流れが、途上国から途上国へコピーしていく流れに変わるのだ。面白い時代だと思う。
今インドには米国を中心として世界中の金融機関やVCが投資を進めている。億単位の資金調達もざらだし、投資を受けるベンチャーの母数も投資額の総計も、日本よりインドの方が多いはずだ。何年か前の中国と同じような状況だろう。それをマネーゲームと呼ぶ人たちもいるが、それによってインドにお金が集まり事業が効率化され、それに押されるように周辺インフラも整備されて、最終的にこの国の人々の生活を向上させることに繋がればそれは素晴らしいことだなぁと思う(ちなみにIT分野だけでなく、インドの場合はメディカル・エナジー・ヘルスケアという様々な分野に今世界からお金が集まってきている)。インドは今でもすごく素敵な国だけれど、暮らしにくさが改善できればもっと魅力的な国になると思うんだよね。
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長くなってしまいましたが(自分でもびっくり!)、上記のデータでここ間違っているよ!とか転載したいんだけど!とかありましたら、コメント欄かメールの
lilyuki0501 @じーめーるどっとこむ(←スパム対策でひらがなにしています)
まで連絡いただければと思います(ちなみに参照したのは普段読んでいる複数のインドのテック系メディアが中心ですが、多すぎるので記載しません)。
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・2013年シーエーシー社はAccel Frontline社(ボンベイ証券取引所およびナショナル証券取引所上場)の過半数の株式を取得し、Accelはシーエーシーの連結子会社に。
・2013年ベネッセホールディングスからInOpen Technologies社は第三者割当増資を実施。
・2013年JAFCO Asiaはソーシャルメディアマーケティングツールを提供するunmetric社へNexus Venture Partnersと共に$5.5 Millionを出資。
・2013年ネットプライスドットコムの100%子会社であるBeenosは、インドにおいてオンライン決済事業「Citrus」を手がけるCitrus Payment Solutions Pvt. Ltd.の持株会社であるシンガポールCitrus Payment Solutions Pte. Ltd.にデジタルガレージの子会社でオンライン決済事業を担うecontext Asia Limitedなどと共同で出資。
・2013年電通はインドのデジタル広告エージェンシーwebchutneyを子会社化。
・2013年ソフトバンク社はSnapeal社へ$75 Millionを出資。
■個人的に注目しているインド発のテック系サービス
・unicommerce(中小企業向け在庫管理システム)
・freshdesk(世界中で使われはじめているカスタマーサポートツール)
・Knowlarity(中小企業向けの安価な電話通信系クラウドサービス)
・HOUSING(地図から探せる物件情報サービス)
・Airpod(空気を動力とする自動車)
・Delhivery(Eコマース企業向けロジスティクスプロバイダー)
・Foodpanda(出前注文サービス)
・way2sms(フリーSMSサービス)
・Gecko(ジェスチャーに合わせてスマホと連動する小型万能ガジェット)
■雑感
さて、記事としてはここまでなのですが、書き出してみて思ったのは、やっぱりインドのテック系ベンチャーの話はすごく面白いなぁということ。「テック系ベンチャー」ってだけでも興味の対象であるのだけれど(でも実は国産の方はあまりよく知らない)、そこにわざわざインドってつけるのは、インドがまだ発展途上の国だからかな。日本に比べて産業インフラが整っていない生活しにくい国にも関わらず、IT関連サービスは意外と進んでいるんだと、インドに来て驚いた覚えがある。
例えば、インドに来たばかりのころにタクシーを利用しようとしたら、時間は守ってくれないし、道は知らないし、金額は後から釣り上げようとするし酷かった。けれど、Olacabsというインドのベンチャーが提供しているタクシー配車サービス(インド版Uberかな)を使ったら、携帯アプリで簡単に予約できて、時間も厳守で、メーター使ってくれて、サービスもよくて、領収書も精算後に自動的にメールに送られるようになっていて、すごく感激した覚えがある。これ以外にも感激したサービスは少なくない。これが日本や他の先進国だったらそれほど感激しなかったかもしれないが、インドという場所だから尚更だったと思う。例え「本をネットで買う」という日本では当たり前のことでも、インドでそれが出来るというのは本当に素晴らしいことなのだ。本屋なんて大きな街でも数える程度にしかないから、オートリキシャやバスで全身砂まみれになり、排気ガスで喉や目を痛めながら、往復数時間かけて行くことはざらだった(たった数百円の本のために!)。それがECサイトによって一瞬で済むようになる。明らかにそれは生活を向上させている。
ところで、インドのITサービスは、基本はやはり米国のサービスをコピーしたものが多い。けれど、まったく同じものを作ってはインドでうまくいかない。文化や生活背景・通信インフラの悪さ・ロジスティクスの未整備・クレジットカードの普及率の低さ(=課金の仕組み)などを考慮して、現地に最適化しなければならない。これは先進国でサービスを広めるのとは違った難しさがあるに違いないだろう。だからアイディアはコピーといえども、それを実行する環境が異なるならば、それは非常にイノベイティブだし、市場の開拓者だとも思える。そしてインドのようなビジネスがやりにくい環境(発展途上国)で成功すれば、他の発展途上国でそれを横展開できるというダイナミズムもある。先進国から途上国へコピーする流れが、途上国から途上国へコピーしていく流れに変わるのだ。面白い時代だと思う。
今インドには米国を中心として世界中の金融機関やVCが投資を進めている。億単位の資金調達もざらだし、投資を受けるベンチャーの母数も投資額の総計も、日本よりインドの方が多いはずだ。何年か前の中国と同じような状況だろう。それをマネーゲームと呼ぶ人たちもいるが、それによってインドにお金が集まり事業が効率化され、それに押されるように周辺インフラも整備されて、最終的にこの国の人々の生活を向上させることに繋がればそれは素晴らしいことだなぁと思う(ちなみにIT分野だけでなく、インドの場合はメディカル・エナジー・ヘルスケアという様々な分野に今世界からお金が集まってきている)。インドは今でもすごく素敵な国だけれど、暮らしにくさが改善できればもっと魅力的な国になると思うんだよね。
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長くなってしまいましたが(自分でもびっくり!)、上記のデータでここ間違っているよ!とか転載したいんだけど!とかありましたら、コメント欄かメールの
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